好きなんだから仕方ない。
次に出てきたエイミア様は七つ頃だろうか。よく喋るようになられたエイミア様は次男といつも喧嘩し、長男がいつも二人をなだめていらっしゃった。次男がやんちゃすぎて小鳥の巣を落としてしまった時の怒りから出た涙はエイミア様の優しさだった。
今度は十歳の頃か。これはお誕生日の時だな。元国王が開かれた誕生日の舞踏会の後、俺たちを部屋に呼んでお祝いをしてくれたんだ。いつもありがとうと言って自分で作ったお菓子や飲み物を人数分お出しになられた。そう、この頃から彼女を支持する召し使いや兵士が増えていったんだ。
これは、最初の試練の時に訪れた宿屋。この時、エイミア様は一緒にいた女中の気持ちに配慮して俺ではなくヅヌダクと同じ部屋に宿泊されようとしたんだ。でも、宿屋の主人は気を利かせて同性同士で部屋を分ける事を勧めてくれたんだった。そして、提案をしてくれたのだからとカナケトが諭してくれたんだよな。
次は・・・宿屋の主人?これは確か手紙を出そうと街に出て喫茶店で相談された時の光景。
そうだ、何をしているんだ。俺は今、エイミア様を捜して城を出てきたんじゃないか。こんな所で眠っているわけにはいかないんだ。
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