夏を待つ太陽
彼がハンバーグを作りだしたころ、私は別の袋から土とシャベルと鉢を出して1人で準備する。
「どのくらい植えるんだろう?」
植物なんて種から植えるのは小学生以来だから知識がない。
ひと段落したら、橙も私のところに来た。
「一緒に植えるんじゃなかったの?もう。」
「ごめんって、暇だったの。」
そういって種を植える。
「咲きますように。」
「今年の夏って暑いらしいよ、やられちゃうんじゃないの?」
そういってからかう彼を無視して、キッチンのほうに向かう。
「全然進んでないじゃん。」
「まだ途中なんですー。あなたが呼ぶからでしょ。」
変な言い草をつける君。
「言ってません〜、言いがかりです〜。」
そう言って、ハンバーグづくりに戻った彼の背中に抱きつく。