夏を待つ太陽
いつものこと
彼のバイトがない日はよくうちに遊びにきた。
学校からそのまま夕飯の食材を買って、私のアパートに帰る。
今日みたいに、いつも夕食を作ってくれる。
味は保証できないけれど、楽しそうに作る姿は見ていて飽きない。
「ねえ、橙(おう)、美味しかった、たぶん」
「たぶんってなんだよ。次は成功するからいーの。」
頬を膨らましていじける彼。
可愛くて仕方がなかった。
「ねえ、キスして。」
急にこんなこと言ったり、したくなるのは彼だけ。
「ん。」
応えてくれるのはわかってた。