皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜

次に目を覚ますと、さっきいた女の人二人と30代後半に見える男性が話をしていた。

私の名前が出てきたことから、当たり前ながら私の話だろう。


この家の主とかかな??


体を今度はゆっくりと起こした。

先程までの気だるさは消えていた。


窓の外を見ると、さっきまでは明るかったはずなのにもう暗くなっている。

レースのカーテンは今度は閉められていなかった。

じっと男性を観察していると目があってしまった。

彼はこちらに近づいてきて、なにかを話しかけてきた。

が、あまりにも早く喋るので、単語を1つも聞き取ることができなかった。



「あ、あの…」



私が微かに、日本語ではあったものの声を出したのにも気づかずにかれは喋り続ける。

次第に私はいらいらしてきた。


人の話を聞かないとはどういうことよっ!


だから、私は手をたたいた。

思った以上の大きな音に、自分でもびっくりしてしまったのは情けない。


男性は濃い青色の目を見開いて固まっていた。

赤茶色の柔らかそうな髪には白い毛が少し目立っているが、とても整った顔をしていてまじまじと見つめてしまう。
< 14 / 45 >

この作品をシェア

pagetop