皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
そんなドゥヴォス家は公爵家だ。
そして、一人の娘がいる。
私が養女となったことで義妹となった15歳の娘、ジュリアン。
彼女の母は、彼女が7歳のときに病気で亡くなっているそう。
それまでは真面目で、何事にもおしとやかに取り組んでいたジュリアンであったが、部屋にひきこもって出てこなくなったそう。
そんな娘を心配した父、ダニエルは甘やかしに甘やかしに、溺愛した。
彼女は部屋にひきこもらなくなったものの、自分がほしいものは何をしてでも手に入れようとし、気に食わないものは徹底的に排除しようとする。
そんな自分勝手なわがまま娘に成長を遂げたのだそう。
ちなみに、私は彼女にとって“気に食わないもの”に入るようだ。
私がジュリアンと初めて会ったのは、この世界で私が目を覚ましてから2ヶ月ほどが経った頃だった。
それは、私が転移してからの最大の思い出したくない、最悪の思い出である。