皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜

その頃はまだ、会話が成り立つところまできていなくて、正確に相手の話を聞き取ることもできていなかった。

そのため、単語でコミュニケーションを取っていたのだ。


お義父様はまだ私と義妹になるジュリアンを会わせるのは早いと思っていたようで、ジュリアンには私の存在を知らせていなかった。

もちろん、私も義妹がいるなどとは夢にも思っていなかったのだ。


あの日は、あまり部屋にこもってばかりいては行けないということで、モルガネとイレーヌと一緒に庭を散歩していた。

2人は、私が拾われたときから私の専属の女官となったので、何かするときはいつも一緒に行動してくれていた。


発見されたとき、私の臓器はかなり弱っていた。

それも治ってきて、特に弱っていた肺のリハビリも兼ねていた。

それに加え、私は拾われてから2ヶ月ほど眠っていたらしい。

そのため、歩くのもおぼつかないのだ。


休憩がてら、目についた花壇の前で立ち止まった。

そこには色とりどりな花が咲いていて、花が好きな私はそれに見惚れていた。



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