皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
いつもよりも早く起きて、湯浴みを済ませてからモルガネとイレーヌに手伝ってもらいつつ支度を済ませ、客間へと向かった。
中に入ると、所狭しといった感じで様々なドレスや靴、装飾品がたくさん並んでいた。
何気に楽しみで、10分ほど前に着いてしまったのだが、準備は完璧にされていた。
私が入ると、中にいた人たちはみんな揃ってバッと頭を下げた。
「おはようございます!」
「お、おはようございます…」
あまりの勢いの良さに、思わず後ずさってしまいそうになったのをなんとかこらえた。
すると、一人の50代くらいの女性が一歩前へと出た。
「お初お目にかかります。本日、お嬢様方のドレスの新調ということで、少ないですがご用意させていただきました。お好きなものを、どうぞお選びください。」
「はじめまして。ナナ・アルベルト・ドゥヴォスと申します。本日はどうぞよろしくお願いしますね、ニコルさん。」
「え、名前…。」
「あ、あれ?ニコル・デュ・ラミーさんですよね?」
「あ、は、はい、そうでございます。どうして私の名前を…?」
「私のドレスを新調してくださるんですよね?それなら覚えるのは当たり前ですよ。」