皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
何を当たり前のことを言っているのかと思うと、笑いが込み上げた。
でも、みんなは唖然としていた。
モルガネとイレーヌは“お嬢様らしい!”と言って一緒に笑っていたのだが。
そこで、ふと時計を見ると約束の時間になっていることに気がついた。
だが、ジュリアンの姿が見当たらない。
だからコソッとモルガネに尋ねてみる。
「ねぇ、ジュリアンも一緒にじゃなかったっけ?」
「そのご予定のはずなんですけど…。」
絶対遅刻じゃん…。
「では、時間になりましたので始めさせていただきますね。」
ニコルさんにそう言われて、慌てて言葉を返す。
「はい、お願いします!あの、義妹が申し訳ございません。まだ来てないようで…。」
「そ、そんな謝らないでください、ナナ様!私たちは大丈夫ですので…。」
そうは言って頂いたけれど、時間を守らないということはやってはいけないことだ。
家の名に傷がついてもいいというのだろうか…。
まぁ、私は別にいいんだけどさ?
「ではまず、ドレスからお選びください。採寸をいたしまして手直しをしてから、お送りさせていただきます。」
「わかったわ、ありがとう。」