皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
彼女の声で一斉に後ろに控えていた人たちが動き出す。



「ナナ様、どうぞこちらへ。」



案内されたのは部屋の一角を布で覆ったスペースだった。



「ご試着をお願いいたします。」



そういったニコルさんはモルガネにドレスを渡し、布を閉めた。


二人に手伝ってもらいながらドレスを着てみる。



「…何この肌触り。いかにも高級って感じが…やばい。」



そんな私の反応を面白そうにくすくす笑っているふたりを軽く睨む。


…この人たち、最近私のことを馬鹿にしてるんじゃないかな?

楽しいからいいんだけどさ…。



「ニコルさーん。着れました!」



そう言って出てみると歓声が上がった。



「とってもお似合いです!こちらへどうぞ。」

「ありがとうございます、ニコルさん。」



それからウエストや袖元、裾などの長さを合わせてもらい、安全ピンで止めたまま靴選びに移った。


その時、扉が開く音がした。

振り返るとそこに立っていたのはジュリアンだった。



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