皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
「おはようございます!」



そして、ニコルさんたちは私にしたのと同じように、ジュリアンへ挨拶をし頭を下げた。

だけど彼女はそれに返事を返さず、私を見て少し目を見開いたかと思うと、ニコルさんたちを無視したまま私に話しかけてきた。



「…お義姉様、そのドレスで行くのですか?」

「ジュリアン、その前に彼女たちに挨拶をしなさい。」



時間に遅れてきた上に、挨拶すらしないのか。

私がそう言うと、めんどくさそうに彼女は言った。



「はいはい、おはよう。それで?」



ため息をつきそうになるのを必死にこらえ、言葉を返す。



「…そうよ、このドレスで行くつもりです。」



するとジュリアンは鼻で笑った。



「そんな地味でくそダサいので行くの?そんなのが姉だなんて恥ずかしいんですけど。こんなのでも着ればいいじゃない!」



ジュリアンがそう言いながら手に取ったのはピンクのたくさんレースがついたふわふわのものだった。


…うん、私には似合わない。



「ここのドレスにダサいものなんて一つもないわ。ダサく見えるのは着ている私が悪いからかしらね?」

「お嬢様!」



イレーヌは訴えるような顔で見てきたけれど、笑ってそれを制する。

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