皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
「そうね。お義姉様は平凡なお顔立ちだから、派手なものよりかはいくらかましに見えるのかもね!」
「えぇ。それに私は初めての夜会でしょう?あまり目立ちたくないし…。そちらの可愛らしいドレスは、ジュリアンの方がよく似合うわよ。」
「やっぱりそうよね!?可愛い私のほうが似合うわ!これにする!!」
「では、私の方はいいから先にジュリアンを仕上げてくださる?」
「かしこまりました。」
ニコルさんにそう伝え、疲れてしまったのでジュリアンがやっていただいている間に椅子に腰をおろした。
「お嬢様、ナイスです!」
「素晴らしかったですわ。」
「あはは、二人ともありがと。」
なぜ、私が褒められているのか。
──そう、ジュリアンは優柔不断なのだ。
何を決めるにもずっと決められない。
私のこととなると、後先考えずに行動しているのにね…。
だが、褒めてあげればすぐに調子に乗って選ぶのではないか、と思ったので彼女をおだてたのだ。
わざわざ自分を卑下してまでね。
でもまぁ、性格はあれだが黙っていれば可愛いジュリアンには本当に似合うと思ったのだけれども。
ジュリアンが早く決めたおかげで、彼女付きのメイドたちもホッとした表情をしている。