皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
ミニトマトくらいあるであろう大きな宝石がたくさんついているネックレスが多い中、それは親指の爪サイズの小さい宝石が3つ並んでいるというシンプルなもの。
他のものに比べると存在感は薄い。
だけど、青紫色に輝くそれは、私にとってどの宝石よりも存在感のあるものだったのだ。
「…うん、これにするわ。」
「わっ、きれい…。」
「でしょう?」
それを手に取り、ニコルさんのもとへ向かう。
ジュリアンの採寸が終わったところのようで、彼女も靴と装飾品を見に行っていた。
「ニコルさん、これでお願いします!」
「かしこまりました。…これはこれは。」
私から装飾品を、イレーヌから靴を受け取ったニコルさんは目を見開いた。
「あ、もしかして選んじゃだめなやつとかありました…?」
普通に考えて、そんなものを持ってくるはずがないのだが…。
あまりに驚いているので、思わず聞いてしまった。