皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
馬車に乗り込むと、そこにはすでにお義父様が乗っていらした。
「お義父様、失礼いたします。遅くなってしまい、申し訳ございません。」
「いや、時間通りだ。…それよりジュリアンは?」
「本日は一度も見ておりません。」
また遅刻か、あの娘は…。
それから5分ほどがたった。
気まずい沈黙にひたすら耐えていると、ジュリアンがやってきた。
「ジュリアン!予定の時間が過ぎているではないか!」
「ごめんなさーい、お義父様!私はお義姉様と違って準備に時間がかかるのっ!」
ぷんすこ、という効果音が似合いそう…。
なんてことを考えていると、深いため息をついたお義父様は馬車を出すように指示をした。
柄にもなく、お義父様がわがまま娘を持って少し可愛そうだなと思ったことは、消して口に出さなかった…。