皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜
思っていたよりも随分と遠い。
馬車の中ではただひたすらにジュリアンが話している…という状況だ。
初めての外出。
初めての馬車。
もう、色々痛いし気持ち悪いし…。
こんな状態でデビュタントを迎えられるのだろうかと心配していた頃、もうすぐつくという声がかかった。
その声につられるように窓の外を見る。
「…わぁっ…」
思わず漏れてしまった声に慌てて口をふさぐ。
幸い、二人には聞こえていなかったようで、一安心だ。
もし聞こえていたら何を言われたかわかったもんじゃない。
もう少しで着くといいつつも、そこそこ馬車に揺られてから、停車した。