君の秘密


「え……?」


 市野瀬くんにそんな様子で「答えろ」と言われて、私は少し戸惑った。


 戸惑っている私に市野瀬くんはこう続けた。


「今、オレが拾った物は何かを……」


 え……答えるの……?


 市野瀬くんがそう言うのなら……。


「……えっと……今、市野瀬くんが拾った物って……少女マンガ……に見えたんだけど……」


 私がそう答えると、市野瀬くんはため息をつきながら、片手をおでこにあててそのまま下を向いてしまった。


 そんな市野瀬くんの様子を見ている、私。


 私は市野瀬くんになんて声をかければいいのかわからなかった。


 すると片手をおでこにあててそのまま下を向いていた市野瀬くんが突然顔を上げた。


「……違う……」


 え……?

 市野瀬くん……?


「これは違う‼」


「……‼」


 市野瀬くんがあまりにも力を込めて言ったから、私は驚き過ぎて声が出なかった。


「これは……姉貴の物だ」


 え……?

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