君の秘密


 ……? 香織さん?

 香織さんが突然、私のことをじっと見つめだした。

 私の顔に何か付いているのだろうか、私は少し心配になった。

 そのとき。


「杏樹ちゃんって……」


 香織さんが私の顔をじっと見ながら口を開いた。


 香織さんは私に何を言おうとしているのか、私は緊張しながら香織さんが話の続きを言うのを待つ。


「さっきから思ってたんだけど……」


 香織さん‼ 一体何を言おうとしているの⁉

 ためないで早く話して‼

 私の中でそんな気持ちが膨れ上がっていた。

 そのとき。


「似てる」


 え……?

 似てるって誰に⁉


「お姉ちゃんに」


 お姉ちゃんって、架純さんのこと?


「ほんとだ。杏樹ちゃん、架純お姉ちゃんに似てるよ」


 来未さんも香織さんのいうことに大きく頷いた。


「ものすごくそっくりとかではないんだけど、なんとなくこう、見た感じというか、雰囲気というか、話し方というか、全体的にふわっと似てる」


 香織さんは分析するようにそう言った。


「あら、なんか照れちゃうわね」


 笑顔で言う、架純さん。

< 42 / 74 >

この作品をシェア

pagetop