君の秘密


「「じゃあ、お二人さん、仲良くね」」


 私と香織さんたちが帰る分かれ道がきて、市野瀬くんは私のことを送ってくれるために、そのまま私と一緒の方向へ歩き出そうとしたとき、香織さんと来未さんが私と市野瀬くんにそう言った。


「まったく何言ってるんだよ」


 市野瀬くんは半分呆れた様子で香織さんと来未さんにそう言った。


 私は、架純さんと香織さんと来未さんに、もう一度、ペコリとお辞儀をして市野瀬くんと一緒に家の方へ向かった。



 市野瀬くんと一緒に歩く帰り道。


 今のところ、市野瀬くんと何も会話が無いまま歩き続けている。


 会話が無いまま市野瀬くんの隣を歩いている私は、横目でチラッと市野瀬くんの方を見た。

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