君の秘密


 そんなにも話しづらい内容ってどんな内容なのだろう。


 私はドキドキな気持ちがあるのと同時に、少し不安な気持ちにもなった。



 市野瀬くんが話があると言ってから5分くらい経った。


 私は、その間ドキドキと不安が混じった状態で市野瀬くんが話し出すのを待ち続けていた。


 本当は5分も経っていないかもしれない。
 だけど気持ちの上では5分、いやそれ以上経っているような、そんな感じになる。

 私は緊張と不安で待ちくたびれそうになった。

 そのとき。


「……やめたい」


 市野瀬くんが再び口を開いた。
 でも……。

 市野瀬くん……?
 今、『やめたい』って言った……?
 やめたいって何を……?


「市野瀬くん……? 『やめたい』って何を……?」


 私は何か良からぬことを感じてしまって、市野瀬くんに訊くのが怖かったけど、勇気を出して訊いてみた。


「……友達」


 え……?

 市野瀬くん……?


「『やめたい』・『友達』って、それって……」


 的中しそう……良からぬことが……。
 ……嫌……。
 嫌……‼ 市野瀬くん……‼


「……お前との友達……」

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