君の秘密

「……なんだよ……急に黙るなよ……オレが……恥ずかしく……なるだろ……」


　私だけではなく、どうやら市野瀬くんも恥ずかしいみたいで……。

　私と市野瀬くんは二人して恥ずかしがっていた。


　そして私と市野瀬くんの間に、また沈黙が流れてしまった。


　どうしよう……市野瀬くんにどう話しかければいいのだろう。


　私が市野瀬くんに話すタイミングが見つからなくて困っていると……。


「……お前は……」


　……‼


　市野瀬くんの方から口を開いてくれた。


　と思ったけど……。


「……どうなんだよ……」


　え……？


「お前は……」


　市野瀬くん……？


「……オレのこと……」


　…………。


「……どう思っているのか……」


　……‼


「……知りたい……」


　市野瀬くん……‼


「……お前の……気持ちが……」


　市野瀬くんの方から口を開いてくれたと思ったら、そんな言葉が飛び出した。

　確かに訊かれるのは当たり前のことかもしれないけど。