今夜、あなたに復讐します
「社長、なにか積極的に私と結婚したい理由でもできたんですか?」

 ただ純粋に、不思議に思い、そう訊いてみただけだった。

 だが、有生は動揺し、
「た、祟りがあるからだ」
と言ってくる。

 いや、あなた、最初にないって言いましたよ……。

 私には言えないなにかがあるのだろうな。

 仕事の関係かな。

 お父様の要人警護を派遣する会社とつながりがあると知れた方が、命が狙われにくいとか?

 そんなことを考えながらも、夏菜は断ろうとした。

「でもあの、いきなり社長の家で暮らすっていうのは、ちょっと」

 だが、その言葉を遮るように有生が言ってくる。
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