今夜、あなたに復讐します
その日の夜。
指月は山の上から、月明かりと母屋からの灯りに照らし出された夏菜の屋敷の裏庭を見ていた。
そこでは楽しげに雪丸が斧をふるっており。
夏菜や有生、そして見た目マフィアだが、何故かスリの銀次っぽい男が切り株に座って、雪丸を眺めていた。
……楽しそうだな、と指月が思ったとき、いつか自分を罠から助けてくれた加藤が縁側を通りかかった。
こちらを見上げ、声を張り上げてくる。
「やあ、ついにたどり着かれましたね。
ご夕食まだなら、ご一緒にどうですか?」
「あ、指月さんー」
と夏菜も立ち上がり、振り返って手を振る。