今夜、あなたに復讐します
「夏菜、見てみろ。
こんなものまで100円だぞっ」
店内に入った有生は早速、身を乗り出し、入ってすぐのところにディスプレイされている手袋や靴下などを眺めていた。
「噂には聞いていたが、どれもこれも100円じゃないかっ」
と有生は当たり前のことを叫んで感動している。
「あのー、社長。
もしや、100均来たことなかったんですか?」
と言うと、
「……あるぞ」
と有生は言うが。
今度は近くにあった観葉植物や鉢を眺め、
「見てみろ、夏菜っ。
これも100円だぞ」
と驚き、反対側を向いて、
「見てみろっ、夏菜っ。
包丁にまな板まであるぞっ。
切れるのか、この包丁っ」
と衝撃を受けている。
……来たことなかったんですね、社長。