今夜、あなたに復讐します
「そうですよね。
 こんなポットの湯を沸かすの忘れて、粉末スープに水をそそいで、あとからチンするような女、他にもらい手もないでしょうし。
 俺がもらってやった方がいいですよね~」

 ……なにさりげなく人の失態バラしてるんですか。

「でも、今はなにやっても可愛いから、いいよいいよって言ってしまうんですけど。
 そのうち、どつきたくなるんでしょうね~」

「そうですね~」

 黒木さん……。

 いつもの偉そうな態度と違い、普通の若造のように可愛らしい社長との会話が楽しくて、なんでも頷いているように見えるんですが。

「夏菜」
とこちらを振り向き、有生が言ってきた。

「黒木さんも認めてくれたのでいいか」

「……なんでですか」
と言ったときには、もう道場の近くまで車は来ていた。
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