今夜、あなたに復讐します
「……何故、こんなことになったんだろうな」
寝る前、ちょっと冷静になったらしい有生が、困ったことになったという風に言ってきた。
いや、あなた方の負けず嫌いのせいですよね……と恨みがましく夏菜は思う。
寒いがガラス戸を開け、縁側に腰をかけると、二人で星を眺めた。
山の上に光る白い大きな星を見ながら、有生が言う。
「……双方の親に挨拶して。
二人でクリスマスを過ごして、二人で新年を迎えたいなと思ってたんだ」
この間言おうとしていたのはそのことだったのですか、と思ったとき、
「それを阻むものなどないような気がしていたのに、何故、こんなことにっ」
とまた有生が言う。
「いや……阻んだのは、あなたの負けん気じゃないですかね?」
何故、自らピンチに向かって猛ダッシュしましたか、と夏菜は思っていた。