今夜、あなたに復讐します
 


「……ひどい目に遭いました。
 あそこはなんなんですか。

 忍者の隠れ里ですかっ」

 社長室に戻ってきた指月が即行、夏菜に文句を言ってくる。

 やはり、恩返しはしてくれそうにないな、と思いながら、

「いやあ、いつ、御坂一族が攻めてくるともわからないので」
と夏菜は苦笑いで返したが、

「……そんなすごい罠をくぐり抜けてお前のところまで行く技術は俺にはない」
と有生に言われてしまった。

 いやあ、敵を大きく想定しすぎて、鍛えすぎちゃうとかありますよね~、と思う。

 指月は言いたいだけ文句を言うと、上林に仕事を教えるために、秘書室に戻っていった。

「では、私も失礼します」
と夏菜は総務に戻ろうとしたが、

「待て」
と有生に言われる。
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