今夜、あなたに復讐します
「もうこのまま秘書にいろ。
 総務の方は、会議のときだけ手伝いに行けばいい」

「え、でも……」

 有生はパソコンの画面を見ながら、
「よく考えたら、週末、ちょっと内輪のパーティに出ないといけないんだった。
 いつも女性同伴とあっても、指月を連れてってたんだが」
と呟く。

 はあ、その辺の女性より、遥かにお美しいですもんね、と思っていると、
「ちょうどいい。
 お前がついて来い」
と有生は言い出した。

「顔を出したらすぐ帰る。
 お前は黙って笑ってたらいい」

「はあ……。
 あのー、いつもこうなんですか?」

 なんだ? と有生は目を上げ、こちらを見た。

「いつも私や上林さんのように、自分に歯向かってくる人間を飼いならして部下に?」

「……お前、いつ俺に飼いならされた?」

 いや、なにもならされてないですけどね……。

 有生はデスクで頬杖をつき、つまらんことを訊くな、という風に言ってくる。

「優秀な奴だけだ。
 使えない奴は俺はいらん。

 いやまあ、お前はまた別だが」

 それは私は優秀でないという……?
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