今夜、あなたに復讐します
「あの祟りの言葉……」

 え? と抱きしめられながら、夏菜は顔を上げた。

「自分の愛した人が子や孫に恵まれて、七代先まで続くようにとも聞こえるよな」
と有生が言い、キスして来ようとしたとき、連続して、ピコンピコンピコン、と音がし、グラスの横にあった夏菜のスマホが明るくなった。

 利南子だった。

『あけましておめでとう』
『次のコンパはいつ?』
『弟、日本に帰ってきた?』

 いや、親さえ帰ってきてないんですけど。

 よく見れば、耕史郎からの通知も入っていた。

『新作できそうだ。
 お前と有生をモデルにしてみた』
という文字が見えたので、え、ちょっと嬉しい、と思いながら、耕史郎からのLINEを開けると、

『一大スペクタクルな』

 ほうほう。

『格闘物だ』
と入っていた。

 ……恋愛物ではないのですね。
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