Dark Fantasy Night
「そ、そうだわ!魔法の杖でーーー」

魔法を使って脱出してしまおう、そう考えていたダナだったが、手元に杖がないことに気付く。杖がないのはディアナやモルガーナも同じなようで、杖を探して巨大な檻の中を歩いていた。

「あ、あれ!!」

ディアナが顔を真っ青にしながらドルイドの手を指差す。それを見てダナたちの心は絶望に満たされた。ドルイドたちが魔法の杖を手にしている。

「……それでは、神にこの贄たちを捧げようぞ」

ドルイドがそう言い、檻に火が放たれる。ダナたちは悲鳴を上げ、檻の奥へ逃げた。しかし、数分もすれば檻全体が炎に包まれるだろう。

「やめてぇ!!死にたくない!!」

「真面目に勉強します!!だからあたしたちを元の時代に帰して!!」

「杖を返して!!このままでは歴史が変わってしまう!!」

燃え盛る炎に怯える三人を、ドルイドたちはまるで喜劇を見ているかのような目で見つめていた。それほど残酷なものはないだろう。
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