蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

「蓮人兄さま、いますぐいかなくても大丈夫です」
静かに言った私の言葉に、蓮人兄さまはクルリと私の方を見た。

「いや、何かあったらどうするんだ、きちんと見てもらわないと」
「ですから今行ってもまだ何もできません。心拍も確認できる時期でもないと思います」
頭の中の知識を思い出し、説明するように私は蓮人兄さまに言葉を発する。

「そうなのか……」
いきなり力が抜けたように、フラフラとしながら蓮人兄さまはソファにドサッと腰を下ろしてしまった。

産んでいいのか、これだけはきちんと聞いておかなければいけない。
そんな人だとは思いたくはないが、急ぐ理由が違う目的であれば……。

そこまで思って、私は思考を停止する。
たとえ蓮人兄さまがどうであれ、一人でも私に産まないという選択肢はありえない。

「産んでもいいんですか?」

勇気を出して尋ねると、勢いよく蓮人兄さまが立ち上がった。
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