蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「当たり前だろ!」
少し強い口調で蓮人兄さまは言うと、ゆっくりと私のへと歩いてきておもむろに抱きしめる。
「兄さま……?」
そんな蓮人兄さまに、私は無意識に呼びかけていた。
「鏡花、お前だけに負担をかけることになってごめん。でも……俺は産んで欲しい」
その真摯に言われた言葉は、信用していい気がした。さっきまでの不安がすっと消えていく。
「当たり前です」
フワリと笑って言った私に、蓮人兄さまがそっと優しいキスをくれた。
「ありがとう」
その言葉を聞きながら、少しの間抱きしめ合った。
その後、ご飯なんて作らなくていいと言った蓮人兄さまをなんとか宥め、私はロールキャベツを作っていた。
せっかく二人で楽しく買い物をした食材を無駄にはしたくなかった。
それにいたって、私は体調もよかったし、ロールキャベツを食べたかった。
煮込んでいる間に、簡単にトマトとレタスでサラダを作り、副菜でほうれん草の胡麻和えも作る。
なんだか和と洋がごちゃごちゃだが、まあいいだろう。
そう思いながら、出来上がった料理を並べようとすると、仕事をしていた蓮人に様が慌ててキッチンへと走って来る。