蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「どうされたんですか?」
不思議に思って尋ねた私に、蓮人兄さまは少し罰が悪そうな顔をする。
「いや、これぐらい俺でも手伝える」
呟くように言うと、出来上がったお皿を持って行ってしまった。
冷たそうに見せながらも、本当は誰よりも人のことばかり考えている蓮人兄さま。
今なら、小さい頃の蓮人兄さまの気持ちがわかる。
きっと、この子も大切にしてくれる。まだ形にもなっていないだろう、お腹の中にいるかもしれない我が子を思う。
「鏡花、気分でも悪いのか?」
運び終えた蓮人兄さまが、動きをとめていた私に気づき、心配そうな瞳を向ける。
「全然大丈夫です。お腹すいたなって」
クスクスと笑って言うと、蓮人兄さまはホッとした表情を浮かべた。