蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「おめでとうございます。6週から7週ですね」
超音波をしながら優しそうな笑顔の女医さんの言葉に、蓮人兄さまと顔を見合わす。
そうだとは思っていたが、目の前に映る小さなまだ形にもならない赤ちゃんを見て、ようやくここにいるのだと実感した。
蓮人兄さまも同じ気持ちなのか、じっと画面を見つめていた。
「さきほど内診の時に、心拍も確認できているので順調ですよ。また次回には超音波でも心音が聞こえると思います」
「ありがとうございます」
優しい女医さんにお礼を伝えると、私たちは病院を後にした。
これで本当に赤ちゃんがいることが事実となり、これから数カ月後には親になる。それは未知で、どうしていいのかわからないことだらけだ。
「鏡花、大丈夫か? 気分が悪いか?」
ぼんやりとしていたのかもしれない、まっすぐに前を向いて何も話をしなかった私に、運転をしている蓮人兄さまが心配そうにチラリと視線を向ける。
「大丈夫です体調は。ただ、色々わからないことだらけだから……」
呟くように言った私の手が、やさしく蓮人兄さまが包み込む。
「俺も同じだよ。一緒に親になって行けばいい」
キュッと繋がれた手が力強くて、大丈夫そう思えた。