蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「おはよう」
静かに発した俺に、立花は立ち上がると今日の決済の書類をバサリと机に置く。

「なんですか? その顔」
見かけによらずサバサバとした立花は、さすがこんな俺と仕事をしてきたせいか、すぐに俺の変化に気づく。

「勘違いしないでください。別に心配しているわけじゃないですよ。仕事にならないと私のプライベートが削られますからね」
シラっとした視線を向けつつ、立花はポンポンと言葉を投げつける。

これがこの間、俺に迫ってきた女のセリフだろうか。
もちろん、あれは本気ではないのは解っている。立花は立花でいろいろあるようで、はっきりとは知らないが、転職してくる前の会社で本気で好きな男がいたと聞いたことがある。
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