蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「悪い」
呟くように言った俺に、立花はいつもの綺麗な微笑みを浮かべた。
「素直に謝れるようになった専務に免じて許します。まだ始業前です。話しぐらい聞きますよ。どうせ奥様のことですよね?」
「まあ」
曖昧に答えながら、書類に目を通していると、立花は言葉を続けた。
「奥様との結婚ってわけありなんですか?」
「ああ、政略結婚だな」
訳アリ、政略結婚というのはそういうものだろう。端的に答えた俺に、立花は面白そうに俺を見る。
「でも、専務奥様のこと大好きですよね」
図星をさせれた上に、今までの俺のキャラではない言葉に表情を硬くする。
「きちんと言葉にしてますか?」
「え?」
今までのからかうような言葉ではなく、真っすぐな言葉に俺は顔を上げると立花を見た。