蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「女なんて、言葉でいってくれなきゃわからないんですよ。相手が何を思っているかなんて。ましてや政略結婚なんて」
その言葉に自分でも思っていたことをはっきり言われて、ため息をつく。
「だよな」
静かに肯定すると、立花は息を吐くと俺から書類を奪い取る。
「指輪とか渡したんですか?」
「え?」
その言葉に俺は唖然とする。鏡花にプレゼントらしいものなどしたことがない。
「やっぱり。今までの女性たちのプレゼントの手配をしていたの私ですもんね。まさかと思いましたが」
腰に手を当てて、呆れて言葉もなさそうな表情の立花は俺を睨みつける。
「今度時間を作りますので、指輪でも見に行かれてはいかがですか? そしてきちんと愛してるとでも伝えてください。こんな腑抜けの専務じゃ私が困ります」
立花のまだ続く小言をどこか遠くで聞いていた。
そうだ、きちんと指輪も買って、プロポーズもやり直してきちんと家族になりたい。
「立花、ありがとう」
「いやだ、そんな顔で笑えるんですね」
ポカンとした立花に、俺は自分が微笑んでいたことに初めて気づいた。