蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「ありがとう。体調もあるし少しお式の準備止めてくれる? まだ間に合うなら式場の延期とかご迷惑を掛けたくないし」
そこまで言うと、お母さんはにこやかな笑みを浮かべた。
「そのあたりは大丈夫よ。心配しないで」
さすがというか何というか、すぐにスマホを手にするお母さんに感心をした。
電話を終えたお母さんに、お礼を伝えると私は立ち上がった。
「鏡花、あんまりむりしなくていいから」
「うん、でもそんなにひどくはないから大丈夫」
笑顔で答えると、お母さんも小さく頷いた。
それに家でゴロゴロするほどでもなく、食べ悪阻というのだろうか、パンやリンゴといったものを口にしていると、比較的気持ち悪さもおさまるため、申し訳ないと思いつつ、食べ物を持ってきている。
亜弓ちゃんにも伝えると、「無理しないでください!」とすごく喜んでくれた。
みんなが「おめでとう」と言ってくれるのが嬉しい。その反面、やっぱり蓮人兄さまに自分の気持ちを伝えたい。愛されたい。そんな気持ちが沸き上がっては消えていった。