蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

でも、明らかにその女性は蓮人兄さまに気を許している様な話し方だったのだ。
ビジネスという感じではない。明らかに蓮人兄さまを非難するような声にドクンと胸が音を立てる。

「迫られたら誰でも抱くとかいくつですか?」
私のことを話しているのだと分かり、さっと血の気が引くのがわかった。まるで言い訳のように私の事を説明する蓮人兄さま。『仕方がなかった』そのセリフが頭をグルグルと回る。

初めから真翔君との結婚を勧めたのも、この女性がいたからなのだろうか?

〝抱いてしまったから仕方なく責任を取った”

わかっていたことだとは言え、私はもはや冷静ではいられなかった。気持ち悪さも心の中もぐちゃぐちゃになって行く。

こんなことお母さんにも誰にも言えない。
それに……。
私は自分でも驚く番号に電話をかけていた。何コールかで出た声は驚いたように響く。

「鏡花? 久しぶりだな。どうした?」
「真翔君、助けて」
私はその言葉だけを伝えていた。



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