蜜月身ごもり婚～クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです～【華麗なる結婚シリーズ】

冷静になればどうして真翔君に電話をしてしまったのだろう、そう思うもあの時はなぜか蓮人兄さまに対抗心のようなものを燃やしてしまったのかもしれない。

こんな浅はかで自分勝手な行動を後悔するも、体調も言うことを聞かず私は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「鏡花」
会社から近いこともあり、十分ほどで車道に車を止め私をよぶ真翔君が見えた。

「いきなりごめんなさい」
そんな私の謝罪に返事をすることなく、真翔君は私を心配そうに見つめる。

「病院へ行くか？　大丈夫か？」
久し振りに電話をして、体調が悪いから助けてなど言われたら、誰でも焦ってしまうだろう。
「大丈夫。本当にごめんなさい」
呟くように言った私に、真翔君は優しく微笑んでくれた。