蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「咲綾、これでいい?」
そう言うと、真翔君がテーブルにカップを置いてくれる。
「温かいルイボスティーです。ノンカフェインだから大丈夫かと」
咲綾さんの温かい笑顔に、こんな素敵な人との幸せを、私も蓮人兄さまも壊そうとしていたのかと申し訳なさが募る。
きっと、私のことを知っているといっていたのも、蓮人兄さまが何かを言ったか、どこからか私が婚約者と聞いたりしたのだろう。
「咲綾さん、本当にありがとうございます。そして、きっと私のことで嫌な思いもされたと思います。申し訳ありませんでした」
頭をこれでもかと下げた私に、慌てたように咲綾さんがそれを遮る。
「鏡花さんは何も悪くありません。私たちがただお互いを信じられずすれ違っただけですから」
柔らかく微笑むと咲綾さんは、真翔君を見る。
「そうだよ、鏡花。俺のせいでこじれただけで、鏡花は何も悪いことはしてない。謝る必要なんてない。それに俺達はいま幸せだから」
そう言いながら、真翔君は優しい瞳で真由ちゃんを見つめたあと、私に真剣な瞳を向ける。