蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「なんでそうなるんだ」
「だって!」
「必要だって言っただろ。俺を選べって」
「どういう意味で言ったんですか? 跡取りが必要ってことですか?」
お互いもう止まらなくなっていた。いい年の大人が何を子供のように言い合いをしているのかとは思ったが、今までの不安や思いをぶつけあう。
息を切らして、言葉を止めた私に、蓮人兄さまは真っ直ぐに私をみた。
「俺は……」
そこで言葉を止めてなぜか苦しそうに表情を歪める蓮人兄さまに、私は更にあの時の言葉を思い出す。
『抱くんじゃなかった……』
ずっとずっと心の奥で棘のように刺さっているこの言葉。