蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

「蓮人兄さまが、後悔してるの知ってるんですよ」
静かに腹の奥から声が出たような、低い声に蓮人兄さまは驚いたように私に視線を向ける。

「何を言って……」
あくまでしらを切る蓮人兄さまに、私は自分をあざ笑うようにヤケになって言葉を続ける。

「私が無理に結婚を迫って、抱いてって言って、赤ちゃんまで……。蓮人兄さまの人生を奪った……」
最後には自分のしでかしてしまった罪の意識で押しつぶされそうになる。
なんてことをしてしまったのだろう。蓮人兄さまが誰でも軽い付き合いならすると知っていて、私はそれを利用した。
それを私は何を蓮人兄さまに期待をして、八つ当たりをしてるのだろう。
そんな権利なんてないのに……。


「鏡花、ちょっと待て、違う……」
「私、私……」
蓮人兄さまの否定する言葉を聞くことなく、思ったまま私は言葉が口をつく。
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