蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「ずっと昔から鏡花だけが好きだ」
え? 全く想像していなかったセリフに思考がストップする。しかし、次の瞬間その言葉が甘く広がる。
必要とか選んでとかそんなものではなくらシンプルに想いが伝わる"好き"が聞きたかった。
いろいろな不安も聞きたいこともあるが、目の前の蓮人兄さまの言葉は素直に信じられる気がした。
「どうして言ったらいけないって思ったんですか? なんで私が苦しむんですか」
今はさっきまでとは違う涙かもしれない。ぐちゃぐちゃな気持ちを持て余すように、泣きながら問いかければ、蓮人兄さまは苦笑しながら私の頬に触れる。
「鏡花の幸せが俺の幸せだったから。鏡花が真翔を好きならそれが鏡花の幸せだと思ってた」
すべての誤解はそこから始まっていたのだと、ようやく私は理解する。
真翔君と結婚させようとしたのも、私をずっと遠ざけたのもすべて私のため……。