蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「鏡花、今なんて言った?」
「私もずっとずっと、小さいころから蓮人兄さまだけが好きです」
その私の言葉に、蓮人兄さまは微動だにせず、放心しているようだった
「嘘だろ……。どれだけ俺達すれ違って……」
「そうですね……」
そこで私は言葉を止めて、蓮人兄さまを盗み見る。確かに私達は初めからきちんと思いを伝えていれば、こんなにこじれることはなかっただろう。
初めからきちんと告白をして、めでたしめでたしができたはずの私達だ。
親の決めた婚約者で、何の問題もなく結婚をしていたはずだ。
しかし、今のような関係が作れていただろうか? 私には遠慮があり、あの頃は蓮人兄さまとうまく話せずにいた。
色々な事があったからこそ、今がある。そんな気がした。私がクスリと笑うと蓮人兄さまが、怪訝そうな表情を浮かべ、私の顔を覗き込む。