蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

「何? 鏡花」

「私は蓮人兄さまの告白を聞けたからよかったです。すれ違うことなく結婚してたら、今みたいにい言ってもらえなかったですよね」
フフっと笑いながら言うと、蓮人兄さまは私の頬をプニっと掴み、にやりと笑う。
「言うようになったな」
「当たり前です。夫婦ですよ」
そう言うと、蓮人兄さまは小さい頃の無邪気な笑い声をあげたあと大きく息を吐いた。

「そうだよな。こうして夫婦になって行くんだな。そしてようやくずっとなりたかった自分になれる気がする」

その蓮人兄さまの言葉が、本当にうれしくて仕方がない。
そんな私を、蓮人兄さまは、真剣な瞳で見つめてきた。

「兄さま?」

「もうこれからは、お前を甘やかすことをためらわない」

問いかけた私だったか不意に今までとは違う、大人の魅力全開の蓮人兄さまのセリフにドキッとしてしまう。

やはり蓮人兄さまはずるい。少しだけ主導権を握ることができたと思っていたのにもう形勢逆転だ。

そうは思うも、もっともっと甘やかせて欲しい。心からそう思っていると、頬、額、髪、そして唇とキスが降って来る。その熱に酔いしれながら、幸せな気持ちで蓮人兄さまの背中を抱きしめた。
< 168 / 189 >

この作品をシェア

pagetop