蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
不意に何かが触れた気がして、私はハッとして目をあけた。
そこにはジッと私を見つめる綺麗な瞳があり、驚いて私は目を見開いた。
しかし、すぐにその瞳はなくなり、私は自分が眠っていたことに気づいた。
「ごめんなさい。私ったら」
「疲れたんだろう。行くぞ」
そう言いながら、蓮人兄さまは私を促すと、後部座席に置いてあった大量の荷物を手にする。
「兄さま、私が」
その言葉の返事はなく、そのまま荷物を持ったまま蓮人兄さまはある言って行ってしまった。
その後姿を私も慌てて追う。
家に帰ると、買ってきたものを冷蔵庫にしまい、かなり遅くなってしまった夕飯をどうしようか思案する。
チラリと横をみると、スーツのままパソコンを操作する蓮人兄さまがいた。
「あの、蓮人兄さまお夕食は?」
たまねぎを持った私は、キッチンから小さく声を掛けた。
「必要ない」
その言葉に、私のさっきまでの勇気はキュッとしぼむ。
やっぱり私は蓮人兄さまにとって厄介者だ。涙が零れ落ちそうになり私がギュッと唇をかみしめる。