蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
先に視線を逸らしたのは、蓮人兄さまでそっと私の手を取ると立ち上がらせる。
「俺はもう少し仕事があるから」
そう言いながら、蓮人兄さまはリビングを出て行こうとする。
やはり私が家にいることは迷惑なのだろう、すぐさま距離をとる蓮人兄さまの態度に落ち込む。
「鏡花」
不意に後ろを向いたままの蓮人兄さまに呼ばれ、私はその方を見た。
「鏡花、お前さっき俺に仲良くしたいそういったよな?」
私は自分で言ったセリフを思い出し、恥ずかしくなりながらも頷いた。
「本当にか?」
再度確認をする蓮人兄さまに、私はゆっくりと視線を合わせると言葉を選ぶ。
「だって。これから一緒に住むんですよね? 期間限定だとしても」
「ああ」
蓮人兄さまは少し躊躇しつつも同意する。