蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
鏡花が真翔と幸せになると信じてきた俺は、今のこの状況をどうしていいのかわからなかった。
どう鏡花と接したらいい?
「なあ? 鏡花」
無意識に呟き、鏡花の額にかかったサラサラの前髪に手を触れ、鏡花の耳にかける。
いつもは着物で隠れているカットソーから見える鏡花の真っ白な肌に触れて、俺はハッとして手を止めた。
俺みたいな男が触れてはいけない。そんな自虐的な気持ちが広がりため息が零れる。
『蓮人兄さまと仲良くやりたい』
その言葉をかなえてやるべきではないのか。しかし、そんなことをして時期が来たら俺は鏡花の手を離してやれるのか?
鏡花が俺を好きになることなどないだろう。親族や真知子さんが落ち着けば、鏡花を自由にしてやらなければならない。
そう思うも、もう一度俺は鏡花の髪をそっと撫でた。