蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
そんな時、すっと目を開いた鏡花に、俺は慌てて触れていた手を戻す。
メガネの奥の綺麗な瞳が至近距離で、俺を見ていることが信じられなかった。
こんな日は一生こない、そう思っていた。だからこそ、この瞳を見てはいけない。俺はそう思ってしまった。
そんな俺の気持ちなど知る由もないだろう、甲斐甲斐しく料理の支度をしようとする鏡花をみて、疲れているだろうと俺は夕飯をコンシェルジュに手配をする。
しかし、それが余計な事だったと鏡花の態度を見てわかった。
『必要ない』
事実だが、まったく言葉の足りない俺の言葉に、鏡花は明らかに傷ついた顔をした。それに気づいてなんとか言い訳のようなセリフを並べるも、鏡花の表情は一向に晴れない。