蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】


「いってらっしゃいませ」
玄関まで見送ると、蓮人兄さまは少し何か言いたげな様子を見せたが、「ああ」とだけ言うと会社へと行ってしまった。

今日も失敗してしまった。もう少し明るく話しかけて、蓮人兄さまに心を開いてほしい。
そう思うも、どうしても兄さまを前にすると緊張してしまう。そしてうまく話せない。

蓮人兄さまが私なんかと話したくないかも。とそんなネガティブな気持ちが心を占拠してしまう。

「あーあ」

きっと蓮人兄さまは夜も遅くしか帰ってこない。今日もほんの少しの蓮人兄さまとの時間が終わってしまった。

そう思いながらも、私はハッと時計をみる。
かなりの時間ぼんやりしてしまっていたことに気づき、慌てて自分の用意を始めた。
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