蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「うそ! いや! どうしよう……」
最後まで書かれていないメッセージを慌てて確認する。
【ご飯を作っくって待ってます。何時に】
そんな中途半端で言い逃げみたいなメッセージに私は唖然としてスマホの画面を見つめた。
すぐについた〝既読”の文字に、ドクンと胸が音を立てる。
そしてやはり返事がこないことで、迷惑だったのかと心が折れそうになる。
いや、すでに後悔でいっぱいだ。本当はずっとずっと蓮人兄さましか見ていないのに、臆病な私は何もできただ周りに流されてきた。
お姉ちゃんみたいにならない。そうは思っていたつもりだったが、本当は自由でいつも輝いていたお姉ちゃんが羨ましくて仕方がなかった。
こんな私じゃ……。
さっきまでの勇気は一気にしぼんでしまった。